相続税と配偶者控除:国際結婚カップルが知っておくべきこと

米国市民同士の夫婦と、米国市民とグリーンカード保持者の夫婦では、夫婦間の相続に違いがあります。

夫婦がどちらも米国市民の場合

米国市民同士の夫婦間には「無制限配偶者控除」が認められており、夫婦間の相続では相続税が一切かかりません。最終的に夫婦が両方とも亡くなり、子が親の財産を相続する際には、夫婦2人分の非課税枠を合わせた3000万ドル($30 ミリオン)まで相続税がかかりません。従ってごく少数の家庭にしか相続税が発生することはないでしょう。

配偶者が米国市民でない場合

相続人である配偶者が米国市民でない場合はルールが大きく異なります。主な相違点は以下の2点です。

•   無制限配偶者控除は適用されない。 米国市民の配偶者が先に亡くなり、米国永住者である配偶者が相続を受ける場合は、無制限配偶者控除の適用はありませんが、最大1500万ドル($15 ミリオン)の生涯贈与枠を使うことができます。

•   共有財産の100%が課税対象となる。 市民同士の場合は、夫婦共有財産の50%が亡くなった配偶者の遺産に算入されますが、相続を受ける配偶者が非市民の場合は、原則として夫婦の共有財産全てが米国市民の配偶者の相続財産に算入されます。従って夫婦の共有財産と米国市民配偶者の個別財産を合わせて$15ミリオンを超える場合、相続税対策が必要です。

QDOT:非市民配偶者向けの対策—ただし、大部分の人には不要

QDOT(Qualified Domestic Trust)というトラストを使えば、米国市民・永住者の夫婦間で発生する相続税を、子供への相続時まで繰延べることができます。この信託から元本を途中で引き出す事も可能ですが、その都度40%の相続税がかかります。

QDOTは実際に必要ですか?

但し、QDOTが必要になるのは、被相続人(先に亡くなった配偶者)の遺産が$15ミリオンを超える可能性が高い場合です。QDOTは殆どの夫婦にはおそらく不要です。

なお、非市民の配偶者が相続税申告期限(死亡後9か月、延長可能)までに市民権を取得した場合、QDOT無しで無制限配偶者控除が適用されます。

※本資料は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務アドバイスではありません。税務に関する質問は、CPA等の税務専門家にお問い合わせください。