日本の相続税について
日本の相続税は、非課税枠が非常に低く、最高55%という世界でも稀に見る重税として知られています。海外に住む多くの日本人が驚かれるのは、被相続人(財産を残す側)も相続人(財産を受け取る側)も相続の発生から遡って10年以内に日本に居住地があった場合、全世界の財産が日本の相続税の課税対象となるという点です。
日本の相続税を回避するには、被相続人と相続人の両方が、相続が発生した時点から遡って10年間、日本国外に住んでいなければなりません。
例えば、米国在住の親が亡くなる9年前に子が日本に住んでいた場合、米国にある親の財産(自宅、リタイアメント口座、投資ポートフォリオなど)のすべてが日本の相続税の対象になります。
逆に親が現在米国在住でも、例えば亡くなる9年前に親本人が日本に在住していた場合には、日本の相続税がかかります。勿論、日本在住の親の財産が日本国内のみにある場合は、日本の財産にのみ相続税がかかります。日本に居る高齢者の親から米国在住の子への相続は殆どがこのパターンです。
検討すべき対策
残念ながら米国のトラストは日本の相続税対策にはなりません。以下はあくまで個人的に集めた一般的な情報をまとめたものです。個々の相続税対策は日本の資格を持つ専門家と相談なさることをお勧めします。
1. 自分とお子様の「居住地」を意識する
米国在住者が米国内の財産に対する日本の相続税を避ける最もシンプルな方法は、被相続人(財産を残す方)も相続人(財産を受け取る方)も「日本の税務上の居住者」にならないことです。日本に住所を構えて税務上の居住者になった後に米国に引っ越し、10年以上経てば相続税が回避できますが、いつ相続が発生するかは誰にも予測できません。
従って米国居住者が日本への本帰国を考えている場合、日本に居住地(拠点を)を構えることで、原則として世界中の全財産が日本の相続税の対象になることを覚悟しておく必要があります。この問題は「本帰国すべきか」、そして「いつ帰国するか」を決める上での大きな判断材料になっています。
2. 生前贈与を活用する
日本には、1人あたり年間110万円の贈与税の控除があります(為替レートによりますが、米ドルで約7,000〜8,000ドル)。この範囲内の贈与であれば、日本の贈与税はかかりません。
親が健在なうちに、計画的に子へ毎年資産を贈与していくことで、相続税がかかる前の課税対象資産を少しずつ減らしていくことができます。例えば、2人の子供に20年間にわたって毎年110万円ずつ贈与すれば、合計4400万円とかなりの額の資産を完全に非課税で移転することができます。
他にも生命保険や不動産を活用する方法もあるようです。詳しくは日本の税理士へご相談ください。
免責事項: 本記事は公の情報に基づき一般的な参考情報とて作成されたものであり、法務・税務上のアドバイスを構成するものではありません。特に日本の相続税が絡む案件では、日本の資格を持つ税理士へご相談ください。