未成年の後見人に日本の親族を指定できるのか

未成年のお子様がいらっしゃる場合、親に万が一のことが起こった事態に備えて、後見人を決めておくことが必要です。そこでよくある質問は、日本在住の親族を未成年の後見人に指名できるのか、ということです。

1. 「子供の最善の利益」基準と非居住者に対する厳格な審査

外国居住者がカリフォルニア在住の未成年者の後見人になることは法律では禁止されていません。しかし、裁判所が最も重視するのは「子供の最善の利益」です。子供のカリフォルニアとの結びつき、日本への移住による環境の変化、そして日本での生活基盤の安定性などを極めて慎重に審査します。

2. 身上監護後見人と財産管理後見人

カリフォルニア州法では、後見人の役割を2つに分類しています。日本在住の親族を「身上監護後見人(Guardian of the Person:物理的な親権・養育上の後見人)」に指定することは可能ですが、資産を管理する「財産管理後見人(Guardian of the Estate)」に指定するのは困難です。

信託(トラスト)を活用した解決策:

裁判所の厳格な要件を回避するためには、親が「取消可能生前信託(Revocable Living Trust)」で後見人を指名するのが最適です。遺産を裁判所管轄の後見財産としてではなく、信託を通じて遺すことで、裁判所の介入を受けることなく、日本在住の親族が「受託者(Trustee)」として円滑に資金を管理・運用することができます。

3. 一時的な空白期間:予備的(スタンバイ)枠組みの構築

しかし万が一の緊急事態が発生した場合、日本在住の後見人がすぐに太平洋を渡って駆けつけることは不可能です。その前にカリフォルニア州の児童保護サービス(CPS)が子供を一時的に面識の無い里親に出してしまう事態が起こり得ます。これを防ぐためには、現地で一時的な橋渡し役を確保し、遺書また所定の委任状により、一時的な子供の世話人を指名しておくことができます。

そのため、万一に備えて、信頼できる現地の知人や親族の連絡先、そしてその知人や親族がいざという時にすぐに連絡できる家族法弁護士(ファミリーローヤー)の連絡先を用意しておくと安心です。